シンガポール住宅の種類
HDB
HDBとはHouseing Development Boardの略で、政府によって建てられた集合住宅のことです。日本の公営団地と似て非なるものです。シンガポール人はこのHDBフラットを購入するのが一般的なのですが、外国人(PR/永住権を持っておらず、EPやSPで滞在している人)が購入するには様々な条件があり、困難+不利です。ただ、賃貸としてフラットを借りる分にはOK。特徴としては、プールやジム等の設備がなく、バスタブも付いてないのが一般的。シンガポールはHDBを中心に都市計画がなされているので、HDBの周りにはホーカーセンターやウェットマーケット(市場)があったり、バス停まで雨が降っても濡れないように屋根がついてたりと様々なメリットもあります。比較的家賃が安めなので、ローカルの雰囲気にどっぷり浸かりたい方におすすめです。
シェアハウス
一人暮らし向けの部屋があまり豊富とは言えないシンガポール。一人暮らしには割高なフラットが多く、固定費をなるべくさげたいという人にお勧めなのがシェアハウスです。世界中からインターン生、留学生、単身で現地就職している人など向けのシェアハウスがここ2,3年で急激に増えてきました。二大大手シェアハウス会社がHumletとCommonhouse。実は私も、シンガポールに引っ越してから最初の3か月はシェアハウスに滞在していました。シェハウスのメリットは、光熱費やインターネット代、1週間に1度のクリーニング代も込みの家賃なので、至ってシンプル。シンガポールに到着したその日から入居することができます。フラットメイト経由で友達が増えたり、シンガポールのわからないことや、おすすめの場所を教えてもらえるので、とってもお勧めです。家族連れだと少し難しいですが、単身や若いカップルの方だったら、最初の3か月~6か月はシェアハウスに滞在して、ゆっくりシンガポールのことを探索してから住居を探すっていうのもアリですね!
コンドミニアム
ほとんどのExpatsと呼ばれる外国人が居住するのがこのコンドミニアム。特徴としては、24時間警備員が常駐、プールやBBQスペース付き、ジム、スカイテラス、テニスコートなどの施設が充実しています。私が住んでいるのもこのコンドミニアム。一番の決め手はプールでした。プール付きの住宅に住むなんて、人生のうちなかなかできない経験ですよね。1週間に最低1回は利用しています。もちろんシンガポール人でもコンドミニアムに住んでいる人はいますが、ごく少数派。ほとんどが中国人やインド人のアジア系からヨーロッパやアメリカなどの欧米系まで様々な国籍の住人がいます。エリアやコンドミニアムによっては、(間取りや近くにあるスーパーの関係で)このコンドはインド人が多いとか、日本人が多いとか若干偏っているコンドミニアムもあります。
一軒家
少数派ではありますが、予算が許せばもちろん一軒家もおすすめ!シンガポールの伝統的なショップハウスや大きなお庭付きの一軒家もあります。ただ家賃も1か月100万以上するのが一般的なので、経営者や家賃補助のある駐在員が住んでいるイメージです。お家が大きい分、もちろんメンテナンスや掃除も大変ですし、常夏のシンガポールではゴキブリや蟻などの害虫被害もよく聞きます。
おすすめエリア
Orchard/ Somerset
銀座と渋谷の中間のようなショッピングストリートのあるOrchard(オーチャード)。高島屋、伊勢丹、ドン・キホーテがあるので、日々のお買い物にも困りません。Somersetに日本人向け幼稚園があるせいか、日本人が多く住んでいるエリアでもあります。
Tanjong Pagar
お洒落なバーやレストランが立ち並ぶTanjong Pagar。恵比寿や渋谷周辺に住むような感覚でしょうか。かなりの都会なので、西に比べて緑が少ないので、とても便利ではありますが都会の暮らしが好きなカップル向けです。
River Valley/ Robertson Quay/Clarke Quay
外国人Expatが多く住むエリア。Great World Cityというショッピングモールに日本のスーパーマーケットである明治屋があり、周辺には日本食レストランも多いことから日本人が多く住んでいるエリアでもあります。ちなみにOrchardやSomersetも目と鼻の先です。Clarke Quay はパーティーエリアとして有名ですが、Robertson Quayも徒歩圏内で、少しClarke Quayから外れれば静かなのでご安心を。
Tiong Bharu
景観保護地区として指定されているTiong Bharuは、古き良きシンガポールの雰囲気を楽しむことができます。コンドミニアムは数件しかなく、外国人が住むとしたらHDBとなります。HDBとはいっても、2,3階建ての低層HDBが多く、大きめのバルコニーや間取りも悪くなく、Expatsを意識してリノベーションしている物件もあります。周辺にはローカルの飲食店も多く、日本人の間でも有名なTiong Bharuマーケットで毎日新鮮な食材を購入できます。
Holland Village/ Bukit Timah
Botanic Gardenも近くにあり、緑が多く、都心部とはまた違う雰囲気です。日本人学校やインターナショナルスクールも多く、家族向けにも人気のエリアとなります。Holland Villageはその名の通り、オランダ人のコミュニティによって創設されたエリア。美味しいイタリアンやカフェ、可愛い雑貨も多くあります。まさにCrazy Rich Asiansの映画のような豪邸が立ち並んでおり、欧米系だけではなくお金持ちのシンガポール人も多く住んでいます。地図上で見ると都心部よりかなり離れているように見えますが、タクシーで15分ほどでCBDエリアにも行くことが可能です。
Newton/Novena
大きなショッピングモールもあり、日系の病院があるので小さなお子さんがいる家族向けです。家賃も都心に近いのにも関わらず、比較的他のエリアよりは低めです。ドン・キホーテもあるのでお買い物には困りません。大きな道路が通っており、Novena駅の周辺は結構雑多としています。オーチャードまでもアクセス抜群です。
East Coast
East Coast Parkというビーチ沿いの公園が有名なエリア。子供の遊び場にも困らないですし、運動好きの方は毎日ジョギングやサイクリングができるのも嬉しいところ。シンガポールらしい可愛いショップハウスが立ち並び、美味しいレストランやカフェが多くあるカトンも近いです。海岸側にはMRTが走っていないため、海岸側に行けば行くほどMRTの駅へは遠くなってしまいます。
Paya Lebar/Geylang
カトンからも目と鼻の先。昔からマレー系が多く住むエリアで、かの有名なGeylang Seraiマーケットがあります。Geylangといえばシンガポールの有名なレッドライト地区で、夜間は他のシンガポールでは見ないような雰囲気に包まれ、一瞬治安悪い?と思いますが、まぁシンガポールの治安の悪さなんてたかが知れてます。一機にローカル感が増しますが、食べ物も美味しく安いところが多いです。外国人に人気のエリアに比べて、何棟もある大きなコンドミニアムや新築のコンドミニアムはあまり多くはないですが、ちょっと都心から離れたいという人におすすめです。(ですがタクシーで15分程で都心には行けちゃいます、笑)
物件の探し方
不動産会社(エージェント)
駐在員の方であれば、会社がエージェントを紹介してくれると思います。そうではなくとも、外資系企業であれば人事部に聞けば知っているエージェントの担当者がいる可能性もあるので、聞いてみてください。私の場合は、友人が利用したエージェントのコンタクトを教えてもらいました。シンガポールに初めて居住される場合は、トラブルを避けるためにも不動産会社を利用することをお勧めします。
不動産ポータルサイト:Property Gruや99.co
日本のSUMOやHOMESと同様のウェブサイトがシンガポールにも存在します。シンガポール入国前にチェックして事前調査をするのもおすすめです。それぞれのリスティングには、担当の人のコンタクトが掲載されているので、ウェブサイトやアプリを通して直接エージェントとやり取りすることも可能です。
掲示板: Craigslist やシンガポール掲示板
こちらは主にルームシェアやシェアハウスを探してる方向け。個人で投稿されている方が多いので、トラブルにならないようお気を付けください。
シンガポールの物件の特徴
家具がついている場合が多い
家具がついているのが一般的。自分でデコレーションできないのは残念ですが、入居後すぐに生活を始められるのが良いところ。ただ、オーナーが中国人だと赤やらピンクやら、どきつい色のインテリアががあることも・・・家具の入れ替えもオーナーの了承が必要で、好き勝手できないのでなるべく自分の好みに近い家具がある物件を探してみてください。もちろん家具なしの物件もあるので、日本から家具を輸送される方は、家具なしの物件を選びましょう。
2年契約とDiplomatic Clause
シンガポールの賃貸契約は基本2年。交渉次第によっては1年でもOKなところもありますが、オーナーさん次第です。日本の賃貸契約とは違って、2年と言ったら本当に2年です(笑) それ以前に退去する場合は、違約金が発生し(デポジット返金なし等)契約満期までの家賃を支払わなくてはなりません。例外として認められるのがDiplomatic Clause(中途解約条項)です。会社の辞令で日本に帰国せざるを得ない、もしくは会社から解雇された場合などに適用されます。これも最低12か月滞在した後に適用可など条件があるので、契約書を必ず確認しましょう。
価格の交渉が可能
シンガポールだけに限らず、日本もですよね。ネット上で提示されている金額はだいたい強気の価格なので、遠慮せずに価格交渉をしましょう。月100ドル値下げできたとしても、年間1200ドルの差額なので大きいですよね。
住居探しから入居まで
シンガポールでの住居探しから入居までの流れをご説明します。私はコンドミニアムにしか居住したことがないので、こちらは悪魔でコンドミニアムの賃貸+エージェント利用の場合です。
気になる物件をリストアップする
PropertyGru等を活用して、気になる物件をリストアップ!エージェントの人にこの物件が見たいと伝えましょう。日本と同じで、リスティングされていない物件もたくさんあるので、エージェントの人がおすすめの物件にも目を通すことも大事です。
物件内覧に行く
エージェントにお願いすれば、丸1日内覧ツアーを組んでくれます。私は2日で20件ほど内覧に行きました。エージェントの方が自ら運転して案内してくれるので、とても楽ちんです。
交渉/申し込みをする
気に入った物件が見つかったらOffer(申し込み)をエージェントを通して行います。このOfferというのは、借りる意思を正式に示す過程で、Letter Of Intent(LOI)という契約書に似た紙にサインをする必要がありますが、このOfferが承認された=契約完了ではないので安心してください。だからと言ってむやみにOfferを提示するのはやめましょう。この時に交渉したい賃貸料や家具の交換の依頼もお忘れなく。
契約する
Offerが承認されたらついに契約です。付属の家電・家具や室内の設備に不備や故障があった場合や、火災、契約延長・解除の条件、家賃支払いのタイミング等、日本でももちろんですが、海外なら尚更隅々まで確認しましょう。エージェントの人が細かく説明してくれるので、契約書にサインする前に不明な点は必ず明確になるまで質問してください。ちなみに、シンガポールの賃貸契約書では印鑑は必要ありません。
納金をする
契約が無事結ばれたら納金をします。下記が必要な初期費用です。例えば5,000ドル/月の物件を借りるとしたら、15,400ドルの初期費用が必要となります。デポジット(敷金)は、日本と同様に退居する際にクリーニング代や修繕費が引かれた上で返金されます。
例)5,000ドル/月の賃貸契約の場合
印紙税 約400ドル
前家賃:5,000ドル(家賃1か月分)
デポジット(敷金):10,000ドル(家賃2か月分)
合計:15,400ドル
上記に礼金は含まれてませんが、家賃が3,500ドル/月だと1か月分の家賃を礼金として支払わなくてはいけません。また日本と同様にこれは戻ってこないお金です。
入居する
さて、いよいよ入居です!家具がついている物件であれば、すぐに生活を始めることができます。入居したらまずすることが、家電、家具、床や壁も含めてすべての点検をすること!これは、退居するときにオーナーとのトラブルを避けるためです。壁、床、窓などの傷はすべて写真に撮って記録しておくこと。また修理や修繕が必要な個所に関しては、入居1か月以内にリストにしてエージェントを通してオーナーに交渉が必要となります。この入居後1か月を過ぎてから申告しても、自費になってしまう可能性があります。契約書にも明記してあるはずなので、確認してみてください。
覚えておきたい賃貸用語
Master Room と Common Room
Master Roomはいわゆる寝室。フラットの中で一番大きな部屋となります。だいたいEnsuiteでトイレとバスルームが付属していることがほとんど。一方、Common Roomとはそれ以外の個室です。書斎にしたり、ゲストルームにしたり、子供部屋にしたり、住み込みメイドの部屋にしたり、用途は様々です。
Square Feet
シンガポールでは、平方メートルではなく、スクエアフィートという単位で面積を測定します。700 square feet って何平方メートル?と調べたい方は下記のようなサイトに、数値を入力してみましょう。
Lightcooking
内覧をしているときに、「これはLightcooking 用のキッチンで・・・」「あなたはよく料理するの?それともLightcooking?」という言葉を耳にします。なに?料理にheavyもlightもあるの?と思いましたが、Hawkerやフードセンターで済ませば外食代が安いシンガポールでは、料理をする人が少ないため、お部屋によってはIHやコンロが1つしかなかったり、簡易的なキッチンな場合があります。Lightcookingとは、ちょっとお湯を沸かしたり、レンジでチンしたり、油を使わない料理や、匂いが強く出ない料理のことを言います。日本人の方だったら、Lightcooking用のキッチンでは確実に物足りないはずです。